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鳴子
11月23日(日)

いろのみ初のワンマンライブ。
「四季」というタイトルで今年一年出会った音を振り返る2時間ものプログラム。
ここ最近忙しくてほとんど何もできなかったので、例のごとく、本番前日、仕事から帰ってきてからほぼ徹夜で楽譜を書いたり、音を聴きながら構成を考えた。

少しだけ寝た。
身体が重い。さらにもう少し詰めたい部分が出てきたので時間を見ながら詰める。
今回の会場の好日館は春の鳴響の時に、僕らの確認不足によって電車に乗り遅れ予定していたライブが実現できなかった場所。
関係者からはすっかり“ドジないろのみ”のレッテルを貼られているので、今回はバッチリ挽回しようと思っていた。
納得できるところまで詰める事が出来た。しかし、時間がやばい。。
慌てて用意して家を出たのものの、また予定の電車に乗り遅れてしまった。。
宇都宮で合流するはずのユンディに連絡した。
怒らないでくれた。

携帯で乗り換え案内を調べると、大宮で急いで乗り換えれば当初予定していた新幹線に乗れる事が分かった。
大宮に着き、幸運にも新幹線乗り場が近かったので必死で駆ける。
東北新幹線の文字と、予定していた発射時刻を発見!
チャイムはもう鳴っている。エスカレーターを駆ける。
プシュー。
間に合った。あと5秒遅れていたらドアは閉まっていた。
ユンディにも報告をし、今回は色々とうまくいきそうだ♪と安心したのも束の間。
何かおかしい事に気付く。
「次は上野、上野です。」
ひぇ〜!!
なんと逆の新幹線に乗ってしまった事に気付く。。
このままでは東京駅に行ってしまう。。

とりあえず上野で降り、ユンディに報告。。。
怒らないでくれた。

電車の時間までかなりあるので、朝食を食べる事にした。
ため息と一緒に食べるコンビニのおにぎりはとても切ない。
涙が出そうになった。

下りの新幹線に乗ると、自由席はいっぱいでデッキに追いやられる。
京都の帰りを思い出した。
つくづくついてない。
地べたに座り眠ってしまった。

宇都宮でユンディと無事合流すると、混んでいる自由席の2席が不思議と空く。
ユンディの周りには福が起こる。

ライブの構成や今後の事などを話していたらすっかりテンションが上がって、楽しくなってきた。
古川に着き、鳴子温泉行きの陸羽東線のホームにいざ出陣!とばかりに気合いを入れて足を踏み入れると、なんと。
電車は1時間後。。。
1時間ごとに走る電車だが、運悪く13時代だけは電車が走っていない。
星さんに慌てて連絡する。
怒らないでくれた。

駅員さんに言って改札を出させてもらい、昼食をとることにした。
しかしほとんどお店がない。。
立ち食い蕎麦を食べる事にした。。。
ため息と一緒に食べる蕎麦もとても切ない。

1時間後、なんとか鳴子行きの電車に乗った。
紅葉と雪に染まる山の景色がとてもいい感じ。
iPodから流れるブラームスのヴァイオリンソナタととても合っていた。

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2時間遅刻し、鳴子温泉駅に到着した。
駅を降りるとすぐ、

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ひぇ〜!
ありがたやありがたや。
たまごやに到着。
すでに星さんがドジないろのみを復活させて笑っていた。
本当に申し訳ないです。。

たまごやは涼音堂の作戦会議本部。
今回声をかけてくださった宮本さんとも久しぶりの再会。いつ見てもかっこいい。
たまごやと言えば星さんが愛する天下一のシュークリーム。
ん〜いつ食べても最高。
とても芸術的な感性を持つ宮本さんととても優しい奥さんが丁寧に作るからこんな良い味になるんだなぁと勝手に想像した。

軽く打ち合わせた。
宮本さんも星さんもコンサートを面白いものにしようと色々企んでいて楽しい。

好日館に着く。
yukkiさんと久々の再会。嬉しい。
今回弾かせていただくピアノに触れる。
ん〜いい感じ。このピアノめっちゃ好き。

ユンディとサウンドチェックをしていると、地元の人達が色々とやってくれて、普段はギャラリーなどとして使われている場所が演奏会の場所へと変わった。

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好日館の館長阿部さんと久々の再会。
いつ見ても優しい笑顔。

yukkiさんとのコラボの曲を合わせてみる。
「ゆきむすび」というタイトルの即興コラボ。
ゆきむすびとはこの地域で開発された新品種のお米の名前。
寒冷な気候のせいで米作りが難しい鳴子温泉から秋田県境までの地域。
米の需要も減り、後継者もいない。
なんとかしたいという悲願を胸に山間地に適した新品種のお米を誕生させたんだそうだ。
山間の集落の人々と都会の人を結び、米作りを再生したいという願いを混めた名前だという。
東北に住むyukkiさんと結ぶ音として、またyukkiさんの名前ともかけてこの名前を曲名にした。

ほとんど決めごとをしないで音合わせをした。
音を出し始めると、当たり前のように言葉はいらなかった。
この場所の持つスローなテンポに添うように音もまたゆっくりと展開していく。
ここちいい。うとうと。

あたりはすっかり暗くなってきた。
ユンディは自分で育てた"いろのみ野菜"を好日館の外に並べ始めた。
全部50円みたいだ。
さといもだけ1万円にしようと言った僕の案は却下されたようだ。

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好日館の奥の方からトントントン、良い音と匂いがする。
「ご飯ができました。」

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宮本さんの奥さん、阿部さんの奥さん達がご飯を作ってくれた。
おにぎりもお味噌汁も漬け物もめちゃくちゃめちゃくちゃ美味しかった。
寒かった身体が完全に暖まり、身体の底からエネルギーが温泉のように湧いてきた。
一生おふくろの味には勝てない。
じーんと感動した。

好日館は元は魚屋だったんだそうだ。
前はたくさんの食器や大きなオーブンがあったという話を聞いた。
魚屋を閉じて今の好日館になった話を聞いて、この建物の歴史を知った。
建物を知る事はとても大切な事。
想像した。

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宮本ゆりさんが書いてくれた♪

コンサートが始まった。
4部に分かれていて、第一部では春から夏までの音を演奏した。
最後に演奏した彩夏という曲が凄く気持ち良かった。
今回のコンサートのためにいつになくユンディが一生懸命毎日ギターを練習した成果が出ていて、勉強していた村治佳織のスタイルの影響からか、ギターの構え方が少し変わったと思った。
そのスタイルがとてもユンディに合っていて、音色や出てくるフレーズがとても丁寧で惚れた。
お互いの音を聴きながら提案したり、寄り添ったり思うままに音を重ねていく感じが、彩夏という曲ができた大学の時を思い出させてくれた。
気持ち良く揺れながらピアノを弾いた。

第1部が終わり、宮本さんが星さんにインタビューするコーナーが始まった。
アンビエントとは?というところまで話が発展し、サワサキさんまでもトークに参加し、色々な意見が交わされた。
最後にいろのみの紹介があって、ワークショップが始まった。
ユンディが自作のシステムを紹介し、いろのみの楽曲制作やライブのやり方を分かりやすく説明した。
サンプルとしてループさせた音をきっかけに第二部のライブが始まった。
第二部は秋。

間のある抽象的な音を演奏したり、アグレッシブ超絶技巧(笑)な曲を演奏した。
赤とんぼで第二部が終了。

第三部はコラボ演奏。
yukkiさんが登場し、ゆきむすびを演奏した。
あぁぁぁやっぱりすごくいい。。
yukkiさんの持つ独特の雰囲気ある音に寄り添うようにピアノを弾く。
yukkiさんが口で奏でる、水のポチャンというような音が響き、それがたくさんループとなって、リバーブも深くなっていって、古(いにしえ)の水の物語を読んでいるような感覚になった。
yukkiさんの美しいウィスパーボイスがほんのりと乗る。
ギターが切ない。
yukkiさんがホース(楽器?)を振って出した音がとても不思議な音で、浮遊感があって、風を感じて、意識が遠くなっていく。
素晴らしい即興コラボだった。

その後は「こけしの夢」というこの場所に古くから根付く曲をアレンジして演奏した。
ユンディ主体で、ほぼ任せる事にした。
途中ユンディがこけそうになっていたので、助けてやるど〜と張り切ってみたものの、僕もこけて、安定感を失い、ガタガタ崩れて、とりとめもないまままま終わってしまった。
まぁこういう事もある。仕方ない。
これが即興の醍醐味。
第三部終了。

第四部では、四季の最後の冬を演奏した。
先日できた北の果ての物語という曲の中から一部を演奏した。

コンサートが終わり、先日から宮本さんと企てていた星さんの誕生日サプライズの曲ハッピーバースデーを演奏した。
曲の最後には星さんが大好きなたまごやのシュークリーム(大きくて輪になってケーキみたいなバージョン)にロウソクと火が灯されてやってきた。
嬉しそうで良かった。

コンサートも無事終了し、宮本さんが最後の挨拶をして会を締めようとした瞬間、
「一言だけいいですか」
と阿部さんが手をあげた。そして、
「私、感激しております。」
と泣いてくださった。
旧鳴子中学校で眠っていたピアノが蘇って嬉しかったそうだ。
ユンディももらい泣き。
僕もこのピアノには特別なものを感じていて、それは蓄積された様々な想いや記憶なのか、この場所の持っていた雰囲気なのか分からないけど、僕はこの良い音と良い感触のピアノを弾かせてもらえる事や、鳴子に呼んでくださった宮本さんを始め、鳴子の方々にとても感謝の気持ちで一杯だったので、僕も楽しく演奏し、お客さんにも何か感じてもらいたいと思ったので、音を通して想いが伝わって嬉しかった。
今年最高の演奏だった。
東北の人達はほんとみんな優しくて親切でとてもとてもいい人達でした。
ありがとうございます。

打ち上げ。
色々な人達が集まった。
YUTAさんはイベントを企画、運営していて、地元で良いものを作りたいという熱意が伝わってきて、とても共感した。
YUTAさんの上司の方も一言では表せない相当な変わり者の強者だった。
大好きなCOBIEさん夫妻とも再会できた。
COBIEさんはめちゃくちゃかっこ良くて、優しい。
あんな風にかっこ良くなりたいなぁ。
yukkiさんとも久々にゆっくり話ができた♪
yukkiさんの別名儀の活動の方々ともお会いする。
どんな音なんだろう。
阿部さんの息子さんがこれまた凄くいい人。
サワサキさんは相変わらず面白い。
宮本さんも負けじと面白い。
椎名さんからは椎名さんの活動や芸術の深い話を聞く事ができた。
民謡セッションでお世話になったおじいちゃんの孫のかなさんともお会いした。
なんとパティシエの経験があり、とても興味深かった。
色々教えてもらう事にした。
宮城のお酒「一ノ蔵」をいただいた。

すっかり酔って頭が痛い。。
しかし、案の定こんなんでは終わらない星さんが「もう一軒行きましょう」と言った。
生まれて初めてスナックに行った。

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スナックにはカラオケがあるんだな〜。
知らない人達がデュエットをしていた。
マスターが宮本さんの後輩らしく、僕らが音楽をやっているのを知ると、鳴子の現状の問題などを話してくれた。
とても気持ちの伝わる熱弁だった。ためになった。

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やっとこさ宿に戻り、ユンディと星さんと温泉に入りに行く。
僕にとってこの日初めての念願の温泉。(ユンディと星さんは飲み会中にこっそり温泉に行っていた!!!)
いい湯だな。あははん。

温泉に入りながらお酒を飲むのが夢だと僕は昼間言っていて、星さんが「ちょっと待ってて」と言って出ていって数分後、先ほどいただいた「一ノ蔵」を持ってやってきた。
他のお客さんはいなく、星空の下の貸し切りの露天風呂に浸かりながら三人で酒を飲む。
コンサートがうまくいったのでテンションMAXで今後の展開や夢を語った。
話が膨らむ膨らむ。
温泉は気持ちが良いし、酒はうまいしで「もう最高」と何度言ったか分からない。
僕はこの思い出は一生忘れない。

のぼせる寸前で湯から出て、星さんが流す松っつんさんのラジオ(爆笑)を聞きながら爆睡した。

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ついに一休さんになったユンディ


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目覚め。
朝食で出てきたのは、なんと「ゆきむすび」。
とても感触が良くて美味しかった。

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その後温泉を堪能するため、滝の湯と並んで最も古い湯「姥の湯」に入る。
白く濁った湯が身体に浸透し包まれる感覚で気持ちいい。

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たまごやに向かう道のお土産屋さんで木のおちょことおちょこを置くための木のソーサーと木のスプーンを買った。
宮崎あおいもこのお店に来て何か作ったみたいで、写真がたくさんあった。

たまごやに着く。
今日もシュークリームとコーヒー。
たまごやの歴史を築いてきたわらび餅をお土産で購入。

西多賀旅館の温泉に入りに行く。
エメラルドグリーンの温泉で、綺麗だった。

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手湯で願掛け

帰りの時間が迫り、好日館の隣のお惣菜屋さんでお弁当を買った。
昨日ユンディの野菜を買ってくれたおばさんがいて、色々サービスしてくれた。

電車でお弁当を食べながら帰った。
こんな美味しいお弁当は久しぶりだ。

幸運の神ユンディとお別れした後にやはり雨が降ってきた。

最近僕を悩ませていた手の荒れが治ったとさ。
う〜ん不思議。
回復の湯でHPもMPも全回復。

温泉と人々が温かい鳴子。
ありがとう!!!

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by free_ee_free | 2008-12-01 02:54 | live
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Junya Yanagidaira
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